『震災市街地の復興と土地収用手続の実際――震災市街地の復興事業で、わたしたちのまちづくりはどうあるべきか』
平松 弘光 著A5判・240頁
定価:3,850円(税込)
978-4-910288-33-8 C2032
2023年2月発行
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本書は、震災復興事業の用地取得と土地収用手続の問題について、2015年に改正された大規模災害からの復興に関する法律の収用法の特例規定を、市街地の震災復興に適用してみた場合の収用手続きの流れを述べてみたものです。
煩雑で、多くの人手と時間を要することで使いにくいといわれていた収用法を、「大規模災害からの復興に関する法律」の特例規定により簡易、迅速な作業で手続きを経て収用裁決を得ることが出来るようになり、広域的大震災・大災害における復興事業にはなくてはならない制度となりました。
震災復興はスピードが命です。そのためにも本書を活用していただき、一日も早く災害復興事業への取組みの一助となれば幸いです。
まえがき
旧まえがき
第Ⅰ部 震災市街地復興事業で、まちづくりはどうあるべきか
はじめに
第1章 震災市街地の復興事業の⼆つの⽅式
第1節 ⼟地区画整理事業の⽅式と買収・収⽤事業の⽅式
1 両事業方式を対比してみると
2 震災復興の事業用地の問題と復興のあるべき姿は
第2節 区画整理事業⽅式の復興には問題が多い
1 区画整理事業とは
2 区画整理事業の施行者と施行手続
3 震災復興を区画整理事業で行うことが地域に及ぼす影響
4 区画整理事業の特性から導かれる問題点
(1) 区画整理事業は工事の規模が大き過ぎるのではないか
(2) 区画整理事業の主役は「土地」であって、「住民」ではない
第2章 震災市街地は個々に事業⽤地を取得する方法でも復興できる
第1節 復興事業にかかる⽤地取得のための買収・収⽤事業の⽅式
1 震災市街地の復興と土地問題
2 都市計画事業とは
第2節 被災住⺠への収⽤補償⾦が地域の衰退を⾷い⽌めるきっかけに
1 住まいの自力復興
2 復興のための住宅再建資援
第3節 スピーディーな復興は事前計画が鍵
1 震災復興のための事前計画
2 震災前の「まち割り(ゾーニング)」とその保全
第4節 震災復興での収⽤⼿続の概要
第Ⅱ部 震災市街地の復興と⼟地収⽤⼿続
第1章 災害復興法が定める収⽤法の特例
はじめに
1 収⽤⼿続の標準的な流れ
2 災害復興法の特例的収⽤⼿続
第2章 特定被災市町村の震災復興事業と収⽤⼿続
はじめに
第1節 特定被災市町村の都市施設整備事業による被災市街地の復興事業
1 復興計画の作成
(1) 国の復興基本方針、特定被災都道府県の復興方針
(2) 特定被災市町村の復興計画
2 被災状況の全体像の把握を
(1) 立入制限・禁止区域の設定や復興区域内の建築制限
(2) 復興計画の作成・変更のための土地への立入測量・調査等
3 復興計画に記載すべき事項と復興整備事業
(1) 復興計画に記載すべき事項
(2) 復興計画に記載すべき復興整備事業
4 復興計画の作成にかかる復興協議会
5 復興計画の作成手順
第2節 復興整備事業での収⽤取得
1 復興計画の公表
(1) 市街地復興のための復興整備事業
(2) 復興計画の公表とみなし事業認可
2 都市施設整備事業の事業準備
(1) 復興整備事業のための土地の立入り等
(2) 建築届出の対象区域
(3) 土地の境界確認(復興整備事業のための登記法の特例 = 筆界特定の申請)
第3 節 収⽤裁決⼿続の概要と復興事業での特例
1 標準的な裁決手続と災害復興法の特例規定による裁決手続
(1) 復興の裁決手続
(2) 標準的収用裁決手続における土地所有者
(3) 復興の裁決手続における土地所有者確定の問題と土地所有者不明の問題
2 復興の裁決手続における裁決申請
(1) 記載事項の一部を省略した書類を添付した裁決申請
(2) 裁決申請および添付書類
(3) 裁決申請があった旨の公告と通知
(4) 裁決手続開始決定とその登記
3 立入測量・調査と土地・物件調書の作成
(1) 立入測量・調査
(2) 土地・物件調書の作成
(3) 調書の作成と立会い・署名押印
(4) 土地調書、物件調書の証拠力
4 省略事項の補充(裁決申請の補充)
5 土地使用裁決の裁決申請
6 明渡裁決の申立て
(1) 明渡裁決の申立て
(2) 明渡裁決の申立て手続
第4節 審理、裁決、裁決の効および実⾏⼿続
1 審理の開催、意見書の提出、職権調査、収用裁決
2 収用裁決手続の当事者
3 権利取得裁決
(1) 裁決事項
(2) 復興の裁決手続において、土地に対する損失補償を裁決する際の問題点
(3) 権利取得裁決の効果および補償金の支払いと移転登記
(4) 土地使用の裁決事項
4 明渡裁決
(1) 明渡裁決の法定裁決期間と緊急使用裁決
(2) 明渡裁決の裁決事項
(3) 通損を見積もる際の問題点
(4) 明渡裁決の効および実行手続
5 収用裁決は裁決書という文書で行う
6 移転代行と復興事業の着工
第5節 損失補償の算定基準
1 「正当な補償」と収用法の損失補償
(1) 正当な補償の原則
(2) 財産的損失の補償と非財産的損失の補償
(3) 収用損失補償と事業損失補償、事前補償と事後補償
2 収用法の定める補償原則
(1) 損失補償に関連する種々の原則
(2) 損失補償の判定基準
3 権利取得裁決での損失補償
(1) 土地に対する損失補償と土地価格固定制
(2) 復興の裁決手続における土地価格固定制
(3) 土地に関する所有権以外の権利(借地権)の消滅補償
(4) 現物補償
(5) 残地についての損失補償
(6) 使用裁決の損失補償
4 明渡裁決での損失補償
(1) 収用に伴って通常生ずる損失の補償
(2) 建物・工作物等の移転補償
(3) 残地の工事費補償
(4) 建物等の工作物の移転関連の通損補償項目
(5) 営業、農業、漁業の廃止補償
(6) 立木移植、伐採についての補償
5 漁業についての収用補償
6 事業損失の補償
第 6 節 特定被災市町村の都市施設整備事業以外の復興事業
1 都市施設整備事業以外の復興事業と収用法の収用手続
2 収用法の事業認定手続
(1) 事業認定申請書作成のための立入測量・調査と知事の許可書
(2) 事業認定申請と申請書の記載事項
(3) 申請書に添付する図面、書類
(4) 事業認定申請の公告及および申請書の縦覧
(5) 事業認定の要件
(6) 事業認定の告示と効果
第3章 ⾮特定被災市町村の震災復興事業と収⽤⼿続
はじめに
第1 節 都市施設整備事業と収⽤⼿続
1 都市計画法の事業認可とみなし事業認定
(1) 都市計画の決定
(2) 都市計画事業についての都道府県知事の事業認可
2 みなし事業認定から裁決手続へ
3 土地・物件への立入測量・調査と調書の作成
(1) 立入測量・調査
(2) 土地・物件調書の作成
4 裁決申請と明渡裁決の申立て
5 土地所有者および関係人の特定
(1) 土地所有者の探索と所有者不明裁決
(2) 起業者の調査の過失の有無
(3) 収用委員会の調査義務と不明裁決
6 土地収用の裁決
第2 節 都市施設以外の施設の復興と収⽤⼿続
旧版あとがき
追伸 ――新装版の「あとがき」にかえて――