『農地評価の理論と実務《農地の価格形成メカニズムを解明する》』
鑑定評価実務研究会 著A5判・384頁
定価:4,950円(税込)
978-4-910288-09-3 C2034
2021年3月発行
全国の書店、政府刊行物センター、ネット書店等でお買い求め頂けます。(書店に在庫が無い場合は、店頭からお取り寄せ頂けます。)
弊社へご注文の場合は、お申し込みボタンをクリックし、購入申込書を印刷します。必要事項をご記入の上、FAXにてお送りください。
不動産鑑定士の最新のテーマは農地の適正評価です。日本の農業は、グローバル化の時代を迎え、農地の規模拡大、収益の増大、経営効率の向上が喫緊の課題です。農地の取引、企業の投資等には、農地の適正な価格、適正な賃借料の算定が必須です。本書では、事業収支の視点を重視し、農地転用制度の課題、農地法制と農地市場の特性、都市近郊農地の価格要因、取引事例比較法の適用の要点、水稲・畑作の事業収支、農地の価格・賃借料の変遷等を最新の理論とデータで詳しく解説したものです。
第1章 農地評価の現状と今後について…古塚秀夫
1.はじめに
2.農地を取りまく環境の変化
3.これまでの成果とその検討
4.今後の農地評価
5.総括
第2章 農政および米政策の展開過程と課題…大西敏夫
1.はじめに
2.戦後農政の展開過程
3.米の需給動向と米政策の展開状況
4.新たな基本計画からみた農政の基本方向と米政策の課題
5.おわりに
第3章 農地転用制度の検討と課題…大西敏夫
1.はじめに
2.農地法制の基本構成と農地転用制度の発足経緯
3.農振制度と農地転用制度との関連性および農地価格の動向
4.農地転用制度の仕組みと農地利用をめぐる地域的特徴
5.おわりに
第4章 地方都市近郊農地の価格形成要因…山本一清
1.はじめに
2.農地の価格の意義
3.地方都市周辺における農地の価格の実態
4.農地の地価形成因子の概要
5.現況農地の価格構造図
6.農地の地価形成因子の詳細な分析
7.農業本場純農地の地価形成因子
8.純農地の地価形成因子
9.宅地化の影響を受けた農地の地価形成因子
10.宅地見込地の地価形成因子
11.宅地地域内農地の地価形成因子
第5章 農地法制と農地市場の特性…仲嶋 保
1.はじめに
2.農地法の概要
3.農業経営基盤強化促進法
4.農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年成立)
5.戦前の農業問題と戦時法制
6.戦後の自作農創設と小作料の統制――自作農創設特別措置法および農地調整法(昭和21年)
7.農地法の制定(昭和27年)
8.農地の売買市場
9.農地価格の鑑定評価の留意点
10.農地の賃借市場
11.まとめ
第6章 農地価格と価格形成要因…市川裕規
1.はじめに
2.純農業地域における農地価格の推移と変動要因
3.都市的農業地域における農地価格の推移と変動要因
4.宅地価格の推移
5.農地価格事例分析
6.まとめ
第7章 農地価格形成要因の回帰分析――「宅地化の影響」に関する実証分析の試み…阿部祐一郎
1.はじめに
2.分析の対象
3.回帰分析に用いる農地取引データとその整理
4.農地取引事例に係る価格形成要因の回帰分析
5.おわりに
第8章 農地の鑑定評価――取引事例比較法の適用の要点…阿部祐一郎
1.はじめに
2.取引事例比較法の概要
3.農地評価における取引事例比較法の実務上のポイント
4.おわりに
第9章 水稲の事業収支…仲嶋 保/高島 博
1.はじめに
2.水陸稲の作付面積、収穫量
3.米の流通――食糧管理法から食糧法へ
4.米の価格の推移
5.水田作の10g当たり経営収支
6.奈良県の水稲(平坦大規模)のモデル収支(平成27年版)
7.京都府の農業経営者――稲作19haの経営収支
8.農林水産省――水田作の1経営体の農業経営収支
9.まとめ
第10章 植物工場の事業実態…村山健一
1.はじめに
2.植物工場とは
3.植物工場の実態
4.植物工場の鑑定評価
第11章 施設野菜「イチゴ」の市場と事業収支…仲嶋 保
1.はじめに
2.イチゴの作付面積、収穫量、出荷量
3.青果物卸売市場の状況
4.イチゴの主要消費地別・産地別の卸売数量および卸売価格
5.イチゴの品種
6.栽培イチゴの形態と栽培
7.イチゴ栽培(専作:高設栽培)の経営収支試算例(奈良県)
8.イチゴ専作(高設栽培)のキャッシュフロー
9.家族労働費控除後の事業収支
10.まとめ
第12章 農地の収益評価における利回りのついての検討…堀田勝巳
1.はじめに
2.不動産評価と収益還元法
3.投資と利回り
4.不動産評価において用いる2つの利回り――還元利回りと割引率
5.利回り算定のアプローチ
6.まとめ
第13章 水田の賃借料(小作料)の変遷と価格要因…仲嶋 保/嶋田幸弘
1.はじめに
2.農地改革と小作料の統制
3.昭和45年農地法改正と標準小作料
4.実態水田小作料之推移(上昇期)(昭和50年~平成5年)
5.実態水田濃さ苦慮の推移(下降期)(平成6年~平成21年)
6.水田の賃借と賃借料の現状
7.水田賃借料(小作料)の価格要因
8.まとめ
第14章 純農地と都市近郊農地の価格の変遷…仲嶋 保
1.はじめに
2.都市計画法と農業振興地域整備法
3.純農地価格と都市近郊農地価格
4.価格上昇期――昭和49~昭和61年の純農地価格と都市近郊農地価格
5.転換期(ピーク時~下落)――昭和63年~平成7年の純農地価格と都市近郊農地価格
6.下落期――平成10年~平成29年の純農地価格と都市近郊農地価格
7.下落期の純農地の地域別価格の推移――平成10年~平成29年
8.農地価格の低迷と農地法制
9.まとめ
********************《お詫びと訂正》********************
本書に誤植がございましたので、下記の通り訂正致します。
① 262頁 3行目 全国平均(17.3ha)(誤) → (正)全国平均(1.73ha)
263頁 表9-11 表の下段 水田作付け延べ面積(ha) 17.3ha(誤) →(正)1.73ha
② 150頁 引用文献 (4)~(7)及び(9)
(誤)農林省「農地制度資料集成」 → (正)農地制度資料集成編纂委員會編「農地制度資料集成」