『[不動産投資分析のための]DCF法による収益価格の求め方』
株式会社 立地評価研究所顧問/不動産鑑定士 高瀬 博司 著A5判・320頁・上製本
定価:4,400円(税込》
ISBN978-4-901431-44-7 C2034
2006年5月発行
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= 不動産証券化における収益還元法の理論と実践 =
本書は、不動産証券化などへの不動産投資を分析するための基礎となる収益還元法の基本解説書である。特にDCF法による収益価格の求め方に重点を置いている。
序章でその概要を、第1章から第4章までは単年度の純収益を還元利回りで割って価格を求める直接還元法を、第5章から第10章までは連続する複数年度の純収益を割引率で現在価値にもどして価格を求めるDCF法について述べた。最後の11章では直接還元法とDCF法は異なる評価法ではなく、双方相補いつつ収益還元法を形成しているものとの認識をもとに、具体的にはどの評価モデルを採用すべきかを解説した。
【著者まえがきより】本書の内容は、収益還元法の現代における理論と実務を基本に帰って基礎から繰り返し述べたものである。不動産鑑定実務の中でますます必要度を増している『収益還元法』を、基礎から学ぶ人にも、また鑑定実務のベテランの諸兄にも、その理論と実務を学習する際の格好の参考書として本書を推薦したい。
【不動産鑑定士 横須賀 博 氏 = 推薦文 = より】
序章 収益還元法の位置付け
1 収益還元法の登場
2 収益還元法の評価ステップ
3 収益還元法で求める価格
4 収益還元法の評価対象
5 収益を市場価格にする方法
6 収益還元法と一般原則
7 全体の評価体系における収益還元法の位置付け第1章 純収益の予測
1 将来収益の区分
2 将来収益の予測の意味
3 賃貸用不動産の純収益
4 純収益予測の実際
(1) 可能総収益
(2) 空室損失等の把握
(3) その他の収入
(4) 運営費用第2章 直接還元法(1)-総収益乗数法と総合還元利回り法
1 はじめに
2 直接還元法の適用
(1) 直接還元法の適用要件
(2) 直接還元法の長所と短所
(3) 直接還元法の総合還元利回り(Ro)の求め方
(4) 直接還元法と取引事例比較法との関連
3 直接還元法の具体的方法
(1) 総収益乗数法(Gross Income Multiplier=GIM法)
(2) 純収益乗数法(Net Income Multiplier=NIM法)
(3) 直接総合還元利回り法(Direct Overall Capitalization Rate=OAR法)
(4) 直接還元法相互間の関係
(5) なぜ不動産ごとに還元利回り法が異なるのか
(6) 直接法の各方式の優先度と今後の課題第3章 直接還元法(2)-投資一団法
1 概要
(1) 投資一団法のモデル
(2) 投資一団法の例示
(3) 借入金返済率(Rm)と自己資本分配率(Re)との関連性
(4) 貸手への利回り(Rm)と借入金利(Ym)との関連性
2 自己資本残余法と投資一団法
3 投資一団法を適用するためのRmとReの求め方
4 投資一団法の信頼度を担保するもの
5 複数の借入金がある場合
6 借入条件の標準性
7 投資一団法の有用性
8 DSCR法の採用
9 最良の投資一団法-DSCR法第4章 残余法
1 はじめに
2 土地残余法と建物残余法
3 収益残余法による土地・建物の評価
4 収益残余法を用いる理由
5 土地残余法の理論上の問題点
6 宅地開発の際の土地残余法の利用
7 賃貸権、賃借権と残余法
8 市場賃料を割り引く際の利回りと契約賃料を割り引く際の利回り第5章 DCF計算法の基礎(1)-割引と現在価値
1 DCF法の人気と多年度収益の割引計算
2 現在価値の概念-割引係数と割引率
3 現在価値と市場価値
4 リスクと期待利回り
5 時間と割引係数
6 複利計算と単利計算
(1) 複利計算
(2) 単利計算
7 金額の異なる多年度のキャッシュフローの評価
8 貸手、貸付金および割引
(1) 元利均等返済方式の場合
(2) 元本一括払いの場合
9 二つの簡便法
(1) 簡便法(その1)-毎年のキャッシュフローが同額の場合
(2) 簡便法(その2)-永久年金
10 DCF法の算式
(1) 期間収益(毎期のキャッシュフロー)の現在価格
(2) 残余部分の追加修正第6章 DCF計算法の基礎(2)-割引率の見積り
1 はじめに
2 総合期待利回り(Yo)の見積り方(1)-その理論
3 総合期待利回り(Yo)の見積り方(2)-その実務的手法
(1) 積み上げ法
(2) 取引事例等から求めた還元利回りや期待利回りを使用する方法
(3) 不動産以外の投資案件の期待利回りを基にして求める方法
(4) 聴取法(サーベイ法)
4 自己資本期待利回り(Ye)の求め方-借入れリスクのインパクト
5 税引き後自己資本期待利回り(Ya)の求め方
6 IRR法と再投資の概念
(1) IRRの意義
(2) IRRの算出法
(3) IRRの問題点
(4) IRRと再投資の概念第7章 DCF計算法の基礎(3)-収益モデルと財産モデル
1 収益モデル
(1) 不規則変動型収益と評価モデル
(2) 不(非)変動型(レベル型・定額)収益と評価モデル
(3) 定額変動(直線的変動)型収益と評価モデル
(4) 一定率で変動する収益
2 財産モデル
(1) 収益が一定で、復帰価格(再販価格)に変化がない場合
(2) 収益が一定で、復帰価格がゼロに変化する場合①-インウッド方式の場合
(3) 収益が一定で、復帰価格がゼロに変化する場合②-ホスコルド方式の場合
(4) 収益及び価格が毎期一定額ずつ変化する場合-直線法の場合
(5) 収益および価格が一定率で変化する場合
(6) 収益が一定で、元本増加が見込まれる場合
3 直線型還元法と収益固定化法-還元利回り修正法
(1) 直線型還元法の概要
(2) 直線型還元法からDCF法への変化
(3) 変動収益を一定額に固定化する方法①-現在価値法
(4) 変動収益を一定額に固定化する方法②-初年度収益固定係数化法
(5) 還元利回り修正法第8章 DCF計算法の基礎(4)-復帰価格の求め方
1 はじめに-不動産の存続期間と保有期間
2 転売価格(復帰価格)の求め方
(1) NOIn+1を還元して求める方法
(2) 現時点の価格を基に将来価格を予測する方法
3 DCF法による価格の評価モデル
(1) モデル1-純収益も元本価格も上昇する場合の例
(2) モデル2-純収益も元本価格も下落している場合の例
4 収益の変化と価格の変化との関係
5 二期間モデル第9章 DCF法の三つのモデル
1 はじめに
2 三つのモデル
(1)基本モデル
(2)借入金分離型モデル(借入金=自己資本法)
(3)税金分離型モデル
3 DSCR法を使った評価法
(1)はじめに-借入金額(または貸付金額)の定め方
(2)返済余裕率とは何か
(3)DSCR法を用いたDCF法の計算式と計算例
(4)借入金比率とDSCR法とのいずれを利用すべきか
(5)借入金=自己資本法の有用性と現時点におけるその意義
(6)キャッシュフローの再築
(7)収益参加型ローン、利息のみのローンおよび金利変動型ローン
(8)資産税
(9)自己資本割引率(Ye)と自己資本還元利回り(Ro)との関係
(10)総合還元利回り(Ro)と総合割引率(Yo)との関係
4 DCFモデルのうち、どのモデルを選ぶべきか
(1)三モデルの特性
(2)投資家の視点からは
(3)鑑定の実務では
(4)筆者の見解第10章 簡便DCF法
1 一定額でのキャッシュフローが永続する場合
2 一定率でのキャッシュフローが上昇を永続する場合
3 収益が有期の場合
4 エスカレーション条項がある賃料の場合
5 エルウッド方式の場合
(1)収益と元本が変化しない場合
(2)毎年の収益は変化しないが、元本の財産価値は変化する場合
(3)収益も元本も変化する場合
6 簡便法の課題と限界第11章 収益還元法相互間でのモデルの選択
1 はじめに
2 収益還元法の歴史的経過
(1)発生初期
(2)初期の借入金分離型投資モデル
(3)DCF法の時代
(4)税金分離の時代
3 各モデルと明確な情報と非明確な情報
4 収益還元法モデルの相互関連性
(1)DCF法
(2)投資一団法
(3)直接還元利回り査定法
(4)総収益乗数法
5 各モデルの選択法
6 直接還元法とDCF法の究極の比較
不動産投資分析のためのDCF法による収益価格の求め方
高瀬 博司
978-4-901431-44-6