<明海大学不動産学部 不動産学叢書>『不動産経済学』
前川 俊一 著A5判・361頁・上製本
定価:4,400円(税込)
ISBN 978-4-901431-19-4
2003年11月発行
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■著者まえがき(「はじめに」)より一部抜粋■
・・・・・本書では、現実の各不動産市場(住宅流通市場、分譲市場、非住宅市場)をサーベイし、交渉理論による一般化を試みている。すなわち、住宅市場は純粋な交渉市場ではないが、売り手が価格を付して物件を登録し探索してきた買い手と交渉を行う物件登録市場として、交渉理論のツールを使いながら理論的に整理した。また、競争が交渉に与える効果について、競争条件を「アウトサイドオプション」により記述し、競争条件を一般化して交渉モデルに導入している。
また、供給者と需要者が検討する不動産の価値(供給者の保有価値および需要者の投資価値と呼んだ)の検討に際しては、1999年に本不動産学叢書の一巻として出版した『不動産投資分析論』(既刊著書、清文社)の研究成果を発展させ、リアルオプションの議論も取り入れた。そして、『土地市場論』(既刊著書、清文社)では、政策編において土地政策全体に焦点をあてることを試みたため、政策編が市場分析編と分離した形になったので、本書では不動産税制のみに焦点をあて理論的検討(第10章から12章)ではなるべく前半の章(とくに第3章)と同じモデルによって説明するように心がけ、全体の統一性を重視した。・・・・・第1章 序論
1-1日本社会・経済環境変化と不動産市場
1-2不動産市場の構造について
1-3各主体の行動について
1-4不動産の販売市場、賃貸市場と資本市場
1-5不動産に関する政策と不動産税制
1-6本書の構成第2章 不動産市場のマイクロストラクチャー
2-1不動産の特質と市場のタイプ
2-2不動産販売市場
2-3不動産賃貸市場
2-4不動産市場の理論モデルについて
2-5不動産市場の効率性第3章 各主体の不動産価値(保有価値または投資価値)
3-1各不動産価値について
3-2供給者の保有価値
3-3需要者の投資価値と購入時期に関する最適戦略
3-4オプションを考虜した保有価値または投資価値について第4章 各主体の留保価格
4-1留保価格のアウトラインと分析の前提
4-2需要者の探索行動と需要価格
4-3供給者の時間選好率を考慮した留保価格第5章 物件登録市場の経済分析
5-1物件登録市場のモデルとモデルの仮定
5-2各主体の最適行動
5-3物件登録市場における取引価格について第6章 交渉市場の経済分析
6-1完備情報のもとでの交渉市場における取引価格の決定
6-2不完備情報下の交渉モデル
6-3この章のまとめ第7章 賃貸市場
7-1不動産の賃貸市場における価格について
7-2各主体の賃料に関する留保価格第8章 不動産税制
8-1租税の公平性からみた不動産課税
8-2不動産課税について第9章 わが国とイギリスの不動産税制(保有課税と譲渡課税)
9-1わが国の不動産税
9-2イギリスの不動産税第10章 保有課税
10-1公平性の視点からの不動産保有課税のあり方
10-2不動産保有課税の効果(市場に対する中立性)のアウトライン
10-3最適利用転換時期、売却時期等を考慮した不動産保有課税の効果
10-4オプションによるわが国の実態を考慮した保有課税の効果第11章 譲渡所得課税
11-1公平性の視点からの不動産譲渡所得課税
11-2土地譲渡所得税の効果ー効率性から見た検討
11-3最適な土地譲渡所得課税第12章 相続税
12-1不動産に対する相続税の特例と公平性
12-2相続税の市場に対する効果参考文献
索引
明海大学不動産学部 不動産学叢書
不動産経済学
前川俊一978-4-901431-19-4