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『公共事業のための用地買収と損失補償-移転支援策の確立をめざして-』

プログレス社内在庫分は全て完売しました

海老原 彰・廣瀬 千晃 著
A5判・上製・312頁 
定価:3,520円(税込)
ISBN 4-901431-14-5 C2034 
2003年7月発行

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株式会社プログレスFAX番号 03-3341-6937

本書の概要

補償実務に精通した不動産鑑定士と現役の用地マンが被補償者のためのより良い生活再建策を提起する注目の書!

目次

序章 現行損失補償制度のあらまし

1.損失補償とは
2.損失補償と任意取得
3.今日の損失補償制度を支える損失補償基準要綱および損失補償基準
4.なぜ損失補償基準要綱が制定されたか
5.損失補償項目の分類およびその構成
 (1)収用損失
 (2)第三者において生ずる損失―第三者補償
 (3)精神的損失

第1章 損失補償はどうあるべきか

Ⅰ「正当な補償」とその根拠

1.現行損失補償の法的および理論的根拠
2.「理論的根拠」と補償実務との関連

Ⅱ 損失補償をめぐる主な議論

1.完全な補償と相当な補償
2.財産権補償と生活権補償
 (1)仕組みとしての財産権補償、理念としての生活権補償
 (2)今日の損失補償は財産権補償と言われているが
 (3)生活権補償が加味された財産権補償
3.財産権補償と生活権補償とは異なる次元の概念で相互補元の関係にある

Ⅲ 憲法第29条第3項の正当な補償の実現のために-精神的損失に対する補償

1.損失補償の憲法上の根拠
2.精神的損失の実態究明に向けた取組み
 (1)精神的損失の類型化 
 (2)精神的損失を増大させるもの
3.生活権補償としての「精神的損失」に対する補償

第2章 損失補償の実際と課題

Ⅰ 土地の取得に対する補償

1.土地の取得に対する補償の基本原則
 (1)土地の補償は正常な取引価格による―基本原則1
 (2)更地としての評価―基本原則2
 (3)事業の施行によって取引価格が低下したときは、当該事業の影響がないものとしての価格―基本原則3
2.正常な取引価格の算定
 (1)価格時点の確定
 (2)比準価格を規準として標準地(または標準画地)の価格を決定する
 (3)各画地の評価
3.土地評価の単位
 (1)評価単位の判定にあたっての基本的考え方
 (2)借地権の一体利用
4.公共事業に伴う土地評価の特徴
 (1)「正常な取引価格」と「土地市場の不完全性」
 (2)道路事業や河川改修事業では、画地の「平均価格」とは異なる「部分評価」が特徴
 (3)不整形地の一部を取得するときの評価と「寄与の原則」
5.土地価格比準表の用い方
6.これからの土地評価で重要視される収益価格とは
 (1)損失補償基準での収益価格の位置づけ
 (2)収益還元法とはどういう手法か
 (3)土地の価格を求める土地残余法の実際
 (4)DCF法による収益価格
7.原価法により求めた価格(積算価格)
8.課税の場合の評価額
9.起業利益を評価上,反映させるべきか

Ⅱ 土地に関する所有権以外の権利の消滅に係る補償

1.土地に関する所有権以外の権利に対する補償
2.所有権以外の権利の代表格としての借地権
 (1)どうして借地権に値がつくようになったか
 (2)借り得の現状と借地権割合の動向
 (3)借地権の鑑定評価
 (4)借地権評価を不動産鑑定士に依頼する
 (5)それでも借地権にはまだ「借り得」がある

Ⅲ 所有権以外の権利の目的になっている土地(底地) に対する補償

1.底地に対する補償
2.底地の正常価格とは
3.借地権者が底地を取得するときは「限定価格」となる
4.借地権と底地は「カップとソーサー」の関係
5.控除主義による取得は地主にとって「渡りに船」
6.借地権者と所有者のそれぞれの損得勘定
7.底地の限定価格と控除主義に基づく価格
8.借地権補償の充実に向けて
9.土地所有者と借地権者が協議して配分を決める方法

Ⅳ 借家人補償と家主に対する補償

1.借家人補償とは
 (1)一時金の補償
 (2)家賃差額の補償
2.家主に対する補償(家賃減収補償)
3.貸家及びその敷地の鑑定価格と損失補償

Ⅴ 残地補償

1.残地に生ずる損失や損害
 (1)残地に生ずる損失や損害
 (2)事業損失の法的性格
2.残地補償
 (1)正当な補償と残地補償 
 (2)残地補償の算定方法
 (3)取得する土地の評価と残地補償の算定は関連させて考える
 (4)残地価格の低下の実態調査を外部の専門家に委託することも必要
 (5)残地補償と「起業利益との相殺の禁止」
 (6)残地の価格低下と利用価値の低下とを分けた理由
 (7)残借地権補償
 (8)残地取得

Ⅵ 建物等の補償

1.建物等の補償の原則
 (1)移転主義の原則 
 (2)移転補償 
 (3)取得補償
 (4)移転主義とその変容
2.移転料の算定手順
 (1)合理的な移転先の認定
 (2) 移転先の認定に際しては多面的な検討が必要
 (3)合理的な移転工法の認定と種類 
 (4)移転工法の種類と算定方法 
 (5)推定再建築費の算定
3.区分所有建物の移転補償
 (1)区分所有建物とその敷地
 (2)区分所有建物及びその敷地の取得
 (3)取引事例比較法による区分所有建物の評価
 (4)区分所有建物の一部を取得する場合の権利調整
 (5)権利調整上の問題点
 (6)残存区分所有建物に対する補償

Ⅶ 営業補償

1.営業補償の概要
 (1)営業補償とは
 (2)営業補償を受けられる者
 (3)営業補償の3つの類型
 (4)営業補償と移転工法との関連
2.営業補償算定のための調査
 (1)営業の実態および権利関係の調査
 (2)資料の収集・分析・選択
3.営業廃止補償
 (1)営業廃止補償とは
 (2)営業廃止補償の用件は非常に厳しい
 (3)補償内容と算定方法
4.営業休止補償
 (1)営業休止補償とは
 (2)営業休止補償は移転工法との関連で決まる
 (3)収益(所得)減の補償
 (4)商品、仕掛品等の減損補償
 (5)固定的経費の補償 
 (6)従業員の休業手当相当額の補償
 (7)移転広告費等の補償
 (8)得意先喪失補償
 (9)仮営業所補償 
5.営業規模縮小補償
 (1)営業規模縮小補償とは
 (2)営業規模縮小補償の認定基準
 (3)補償の内容と算定方法
6.営業権と移転補償
 (1)営業権が認められた実例
 (2)「企業価値」と営業権の価格 
 (3)営業休止補償でも営業権の補償が必要なときがある

第3章 これからの損失補償がめざす道

1.土地の評価は「正当な補償」の原点である
 (1)資産価値から利用価値重視へと変わった土地の価格
 (2)土地評価における専門性が求められている
 (3)土地の価格は「単価」ばかりでなく「総額」で考える
2.借地権者や小規模住宅所有者への配慮が求められている
3.用地取得における民間活力の活用
 (1)求められているファイナンシャル・プランニング(FP)の知識
 (2)相談業務の制度化の必要性
4.情報開示と損失補償に求められるアカウンタビリティ
5.専門性とコスト―職員の資質と専門性の向上
6.土壌汚染への取組みと用地取得
 (1)土壌汚染対策法の仕組み
 (2)鑑定評価における土壌汚染の取扱い
 (3)土壌汚染と用地取得
7.むすびにかえて

索 引

公共事業のための用地買収と損失補償-移転支援策の確立をめざして-

海老原 彰 廣瀬 千晃

4-901431-14-5

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