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『土壌汚染をめぐる41の重要裁判例と調査・対策の実際および費用計算の具体例』

宮崎 裕二/八巻 淳 著
A5判・292頁
定価:4,400円(税込)
978-4-910288-30-7 C2032
2023年1月発行

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2002年の土壌汚染対策法(以下、「土対法」という)成立以降、2013年までに前書で紹介した裁判例は30例に止まったが、その後2021年までに確認できた裁判例は100例を超えており、急増している。とはいえ、土対法は大変難しい法律で、大きな改正が2回なされたこともあり、土壌汚染の中身を含めて正確な知識を身につけることは簡単ではない。そこで本書では第1編で法改正を踏まえつつ、土対法と土壌汚染に対する法的戦略についてのキホンを学んでから、第2編で重要裁判例を紹介する。第3編では土壌汚染の調査・対策の現状とその費用について具体的に紹介、解説している。

目次

第1編 土壌汚染対策法および土壌汚染のキホン

1.土壌汚染対策法の成立と改正の経緯
2.土壌汚染対策法は何のために制定されたのか?
3.土壌汚染対策法が規制する特定有害物質とは何か?
4.土壌汚染対策法の基本的枠組みはどうなっているのか?
5.民法改正により瑕疵担保責任から契約不適合責任へ
6.売買契約後に土壌汚染が発覚した場合の買主の法的主張
7.売買契約後に土壌汚染が発覚した場合の売主の法的主張
8.不動産売買以外に土壌汚染が問題となった法的場面

第2編 土壌汚染をめぐる重要裁判例

第1章 買主側の主張――契約不適合責任(瑕疵担保責任)、錯誤取消(無効)、債務不履行、不法行為、事務管理

【1】 土地の買主が売主に対し、土壌に含まれていたふっ素が瑕疵に当たるとして損害賠償を請求したところ、契約締結後に法令に基づく規制の対象となったふっ素が含まれたことについて、瑕疵には当たらないと判断した事例

【2】 ガソリンスタンドの敷地として利用されてきた土地の売買で基準値以上の鉛等が検出されたが、売主の責任が否定された事例

【3】 隣接地所有者が土壌汚染調査を実施した上で買い受けたが、その後の調査で土壌汚染が発見された場合に、これらの除去費用等の瑕疵担保責任が認められた事例

【4】 破産会社から買い受けた土地にアスベストが含まれていたとして買主が破産管財人に対し瑕疵担保責任に基づく損害賠償の破産債権の確定を求めたが、裁判所はこれを棄却した事例

【5】 買主がマンション建築目的で購入した土地等に基準値を超える鉛が検出されたことなどについて瑕疵担保責任に基づく土壌汚染処理費用等を請求したところ土壌汚染処理費用と地中杭の撤去費用等の損害賠償請求が認められた事例

【6】 売買した土地から環境基本法で定められていた基準値を超える汚染物質が検出されたため、買主が売主に対し、錯誤無効などを理由に売買代金相当額の支払いを求めたが、いずれも否定された事例

【7】 売主が土地売買にあたり重要事項説明書に土地の来歴や使用状況についての詳細を記載しなかったことについて信義則上の説明義務の不履行が認められた事例ヒ素が含まれていることを事前に知っていた売主は信義則上売買契約に付随する義務として、環境基準値を下回るように浄化して引き渡す義務を負うとした事例

【8】 砒素が含まれていることを事前に知っていた売主は信義則上売買契約に付随する義務として、環境基準値を下回るように浄化して引き渡す義務を負うとした事例

【9】 土地建物の買主が砒素やアスベストが判明したなどとして売主に対し不法行為に基づき有害物質の除去費用等を請求したが棄却された事例

【10】 市が本件土地を平成2年に売却し、その買主の地位を承継した者が市に対し3億円の損害賠償を請求したところ、埋設された産業廃棄物の存在は土地の瑕疵に当たるとして不法行為による損害賠償責任が認められた事例

【11】 第三者に売却した土地からダイオキシン類が検出されたため、買主が売主の前の所有者に対し事務管理に基づく費用償還請求などをしたが棄却された事例

第2章 売主側の反論――自然由来、責任免除特約、責任制限特約、商法526条の適用、買主の悪意・重(過失)

【12】 買主が県からマンション建設のために購入した土地で自然由来の土壌汚染が発見され県の責任が認められた事例

【13】 味噌工場の敷地の買主が土壌汚染調査をしたところ砒素が検出されたため土壌汚染除去費用を求めたが、自然的原因によることを理由に請求が棄却された事例

【14】 大阪府の三セクが大手商社に売却した埋立地について基準値を超えるふっ素、鉛および鉱滓が判明したとして瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求されたが、瑕疵担保責任が肯定され、上告審でも1審判決が維持された事例

【15】 売買契約が締結された2014年当時の土対法は健康被害防止の観点から自然由来の有害物質が含まれる汚染された土壌をそれ以外の汚染された土壌と区別する理由がないことを理由に、自然由来の有害物質が含まれる汚染された土壌も同法の適用対象としていたものであるとして買主による契約解除を認めた事例

【16】 土地の土壌汚染が除去されたものとして売買契約が締結されたが瑕疵担保責任免除の合意の意思表示について動機に錯誤があり無効であるとされた事例
     
【17】 土地建物の買主に対し瑕疵担保責任などに基づく土地の土壌汚染拡散防止措置費用、地中障害物除去費用、土壌汚染残土搬出方法変更費用および現左促成費などを請求したが免責特約を認めたため地中障害物除去費用だけが認められた事例

【18】 瑕疵担保責任期間の徒過により瑕疵担保責任が否定された事例

【19】 商法526条は不動産取引にも適用されるとした事例

【20】 売買契約書において土地に隠れた瑕疵を発見したときは引渡日からⅠ年間に限り売主は民法第570条の担保背金を負うと定められていた場合に商法第526条の適用が否定された事例

【21】 売買契約において引渡後でも土壌汚染等が発見されたときは、売主の責任と負担において速やかに対処する等の特約がある場合に引渡後に発見された土壌汚染について商法526条の適用が排除された事例
         
【22】 マンション建築目的で土地を購入した買主が基準を超える六価クロムが検出されたとして土壌汚染土処理工事等の費用請求をしたところ商法526条2項の適用を排除し全額を認めた事例

【23】 土地売買における瑕疵について買主の悪意・過失を認め売主の瑕疵担保責任が否定された事例

第3章 不動産売買以外に問題となる民事紛争

【24】 賃借人の工場明渡し後に土壌汚染が発見されて土壌汚染対策工事等の損害が認められた事例

【25】 土地所有者が借地人のおよび借地上の建物でクリーニング店を経営していた借家人を相手に借地契約を解除して借地人および借家人に対して求めた土地明渡しの請求ならびに土壌汚染による地下下落を理由とした損害賠償の請求がいずれも棄却された事例

【26】 売主と契約した土壌汚染調査、土壌改良等の工事(下請・孫請け含む)、土壌入替工事の各業者に対する買主からの不法行為による損害賠償請求が否定された事例

【27】 分譲会社との間で土地売買契約および建物請負契約もしくは仲介契約を締結した買主らの土壌汚染に関する説明責任違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例

【28】 土地建物の買主の土壌汚染などを理由とする仲介業者らに対する損害賠償請求が否定された事例

【29】 本件土地の所有者が隣地の水銀体温計の製造会社により本件土地に水銀体温計が不法投棄されたことを原因として土対法の基準値を上回る水銀により土壌汚染されたなどとして不法行為による損害賠償を求めたところ約400万の支払いが認められた事例

【30】 共有物分割訴訟の土地評価において土壌汚染対策費の控除を認めた事例

第4章 行政に対する訴訟

【31】 不動産競売で土地を取得した落札人が評価書・現況調査報告書・物件明細書のいずれにも土壌汚染に関する記載がなかったとして国賠請求したが否定された事例

【32】 中央卸売市場築地市場の仲卸業者および消費者らが東京都に対し豊洲卸売市場への移転計画の準備作業で東京都が採取した豊洲市場予定地の土壌コアサンプルについての廃棄差止めと情報開示不足による損害賠償請求を求めたが否定された事例

【33】 鉄道会社が購入した土地における土壌汚染の関係で川崎市を相手に国賠法に基づく責任裁定の申請をした公害等調査委員会において川崎市の責任が認められたため、川崎市が鉄道会社に対し国賠法上の損害賠償責務が存在しないことの確認を求める本訴を提起したことに対し鉄道会社が損害賠償の反訴を起こしたところ、本訴の訴えは却下、反訴の請求は棄却された事例

【34】 土対法3条2項による通知を受けた土地所有者が同通知は行政処分に当たるとしてその取消しを求めたところ抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとされた事例

【35】 土壌汚染されたと知らずに土地を購入したが土対法の制定により汚染の除去に多額の費用負担をすることになったことについて国などに対し国賠請求などをしたが棄却された事例

【36】 前橋市が群馬県と交換により取得した土地について土壌汚染対策処理費用が高額であったことを理由に錯誤無効と地方自治法に基づく議会の議決を欠いて無効と主張して群馬県に対し移転登記の抹消登記手続と不当利得返還請求をしたが否定された事例

【37】 ダイオキシン類で汚染された工場土地についての公害防止事業に関し工場を経営していた会社から営業譲渡を受けた会社に対する事業者負担の決定が消された事例

【38】 相続税の物納者が提出した確認書に基づき国が土壌汚染除去費用および地下埋設物撤去費用合計1億5,844万5,000円を請求したが否定された事例

【39】 処理場の下流に居住する住民が県条例に基づき処分行政庁がした残土処理事業の許可処分の取消しを求めたが原告適格は認められたものの請求は否定された事例

【40】 有害物質使用特定施設使用廃止通知処分を受けた者が通知書の名宛人が被相続人であっても違法ではないなどとして取消請求を否定した事例       

【41】 汚染土壌処理業許可処分に対して処理場周辺海域に漁業権を有する漁業協同組合らがその取消しを求めたが否定された事例

第5章 損害について
1 売買代金と損害賠償請求額と裁判所認定額の比較一覧表
2 損害に関するいくつかの興味深い判決例
(1)過失相殺
(2)弁護士費用と説明義務違反による信用失墜費用
(3)土壌汚染調査費用

第3編 土壌汚染対策法の改正と土壌汚染の調査・対用策費

第1章 土壌汚染の調査・対策の現状

1 現在、実施されている土壌汚染の調査件数とその内容
(1)有害物質使用特定施設の廃止
(2)調査猶予の件数
(3)形質変更の届出に伴う調査
(4)健康被害の発生
(5)土壌環境センターの調査結果
2 土壌汚染対策法の調査と土地取引の際の調査
(1)土地取引の調査
(2)土壌汚染対策法の対象外の物質の調査
ⅰ油汚染
ⅱダイオキシン
ⅲ放射性セシウム
(3)特定有害物質と基準値
(4)指定区域とは
(5)土壌汚染対策法第14条の自主申請
3 土壌汚染対策法の調査の仕方
(1)調査対象物質
(2)地歴調査
(3)汚染のおそれによる区画分け
(4)土壌ガス調査
(5)ボーリング調査
(6)表層土壌調査
4 土壌汚染対策の状況、進め方
(1)対策の考え方、進め方
(2)措置(対策)の種類
(3)実際に行われている対策
(4)掘削除去
(5)原位置浄化
(6)地下水の水質の測定
(7)封じ込め措置

第2章 土壌汚染対策法改正の影響
1 調査の法改正
(1)土壌汚染状況調査の契機の追加 
(2)基準値の変更と分解生成物の明確化
(3)第一種特定有害物質(VOC類)の調査・評価方法の変更
(4)法第4条の調査対象の深さ
(5)地下水汚染の到達距離
(6)法第4条と自主調査報告書の提出
(7)要措置区域内で自由にボーリング調査
(8)指定調査機関の役員等の変更の届出
(9)指定区域解除台帳
2 対策(措置)の法改正
(1)要措置区域における汚染除去等計画の提出
(2)新しい事項――「評価地点」「目標土壌溶出量」「目標地下水濃度」の設定
(3)「地下水の水質の測定」の措置の完了
(4)認定調査の緩和
(5)埋戻土の規定
(6)その他の改正

第3章 土壌汚染調査の費用
(1)地歴調査の費用
(2)土壌ガス調査の費用
(3)ボーリング調査の費用
(4)表層土壌調査の費用

第4章 土壌汚染対策の費用
(1)掘削除去の費用
(2)地下水の拡大の防止(バリア井戸)の費用
(3)バイオ処理(原位置浄化)の費用
(4)オンサイト洗浄処理の費用
(5)封じ込め(遮水工)の費用

第5章 土壌汚染調査・対策の取組み方針
1 調査の取組み方針
(1)調査しなければならないMUSTの状況
(2)調査した方がよいBETTERの状況
(3)調査を待った方がよいWEITの状況
2 対策の取組み方針
(1)対策しなければならないMUSTの状況
(2)対策した方がよいBETTERの状況
(3)対策を待った方がよいWEITの状況
3 コンサルティングの利用

 

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