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『民泊を考える』

浅見 泰司/樋野 公宏 編著
A5判・174頁
定価:2,420円(税込)
978-4-905366-76-8 C2036 
2018年5月発行

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本書の概要

民泊法【住宅宿泊事業法】がいよいよ6月15日より施行されます。

民泊については、様々な問題点が指摘されていますが、一方では、民泊がもたらすシェアリング・エコノミーや地域活性化の可能性についても注目されています。

本書では、11人の研究者が、それぞれの専門の立場から民泊の現状と展望を論じています。

東京大学教員の著作を著者自らが語る広場』にて本書が掲載されています。

目次

民泊の現状と展望[浅見 泰司]

 1.はじめに  
 2.民泊の位置づけ  
 3.民泊の関連制度  
 4.民泊のトラブル防止  
 5.民泊の今後の展望  
 6.おわりに    

観光振興と民泊[矢ケ埼 紀子]

 1.はじめに  
 2.観光振興における宿泊産業の重要性  
 3.宿泊の需給逼迫  
   (1) 訪日外国人旅行者数の増加  
   (2) 特定地域での宿泊の需給逼迫  
 4.民泊利用者の規模と特性  
   (1) 訪日外国人旅行者数と外国人の延べ宿泊者数の増加傾向の乖離  
   (2) Airbnb社による民泊の規模  
   (3) 民泊利用者の特徴  
 5.観光における民泊の影響  
   (1) 地域経済活性化への影響  
   (2) ソフトパワーの向上、交流促進への影響  
 6.今後について  
   (1) 交流促進型の民泊をまず推進  
   (2) 宿泊産業に関する戦略  

旅館業法と民泊[安念 潤司]

1.問題の所在  
2.旅館業に関する規制の内容    
  (1) 規制の概要  
  (2) 民泊と許可制  
3.規制の根拠  
4.規制の評価  
  (1) 規制の実効性  
  (2) 規制の根拠の変化  
5.規制の改革と展望  

住宅宿泊仲介業の法的位置づけ[小澤 英明]

 1.はじめに  
 2.住宅宿泊仲介業と旅行業  
   (1) 旅行業者と旅行業法  
   (2) 旅行業者と住宅宿泊事業法  
   (3) 住宅宿泊仲介業者の仲介業と旅行業者の仲介業  
   (4) 住宅宿泊仲介業における業務規制  
 3.外国会社である住宅宿泊仲介業者の位置づけ  
    (1) 民泊と外国会社  
    (2) 外国住宅宿泊仲介業者  
 4.住宅宿泊仲介業者の説明責任  
    (1) 届出住宅の水準  
    (2) 届出住宅の使用と賃貸借との関係  
    (3) 旅行業者の説明責任  
    (4) 住宅宿泊仲介業者の説明責任  

不動産業から見た民泊の法的問題点――住宅宿泊事業法の施行後の対応を中心に――[佐藤 康之]

 1.はじめに  
 2.民泊新法に基づく管理義務  
 3.周辺住民とのトラブル対応について  
   (1) 周辺住民とのトラブルの概要  
   (2) 民泊新法に基づく義務  
   (3) 想定される問題点  
 4.賃借物件を民泊に供する場合の問題点  
   (1) 民泊契約の性質  
   (2) 賃貸人に無断で民泊に供した場合 
 5. 区分所有建物を民泊に供する場合の問題点 
   (1) 区分所有建物における民泊の問題点  
    (2) 新たな標準管理規約  
    (3) 管理規約を変更して民泊を禁止することの問題  
 6.おわりに  

民泊と住環境[樋野 公宏]

 1.はじめに――私の民泊体験  
 2.東京・世田谷区における民泊の現状  
   (1) 民泊施設の種類と立地  
   (2) 民泊に対する苦情  
   (3) 空き家の状況から見る民泊の増加可能性  
 3.民泊に対する不安と犯罪リスク  
   (1) 民泊に対する不安  
   (2) 類は友を呼ぶ?  
   (3) 民泊における犯罪  
 4.近隣住民にできることは何か  
   (1) マンションでの民泊禁止  
   (2) 民泊施設所有者(予備群)とのコミュニケーション  
 5.おわりに  

「シェアリング・エコノミー」における民泊の位置づけ[山田 貴大]

 1.はじめに  
 2.「シェアリング・エコノミー」という用語について  
   (1) 「メッシュ」:ビジネスモデルとしての「シェア」  
   (2) 「協働型消費」:消費文化論として見た「シェア」  
   (3) クラウド資本主義:P2P型に注目した「シェア」  
 3.民泊の活動実態と法規制  
  (1) 「民泊」の活動実態  
  (2) 東京23区、米国4都市の規制  
  (3) 住宅宿泊事業法の可能性と課題  

農村地域における民泊の変遷と役割[山本 幸子]

 1.はじめに  
 2.農村地域における民泊の背景と動向  
  3.既存建築を転用したゲストハウスの増加  
  4.若い移住者によるゲストハウスの誕生  
  5.空き家との出会い方  
  6.DIYの手法を用いたゲストハウスの作り方  
  7.ゲストハウスの経営形態  
  8.おわりに  

地域活性化と民泊の可能性[城所 哲夫]

 1.地域活性化と観光の役割  
 2.イノベーティブ・タウン仮説  
 3. 民泊による地域活性化の胎動  
 4.地域活性化の観点から見た民泊振興の課題  

旅と建築の可能性を広げる民泊[大月 敏雄]

 〇旅と「あご・あし・まくら」 
 〇あご(顎)  
 〇あし(足)  
 〇まくら(枕)  
 〇「泊める建築」の進化  
 〇「泊める建築」と共同長屋  
 〇「泊める建築」のビッグバン:集合住宅の誕生  
 〇次なる「泊める建築」のビッグバンは?  

私の民泊体験記――古民家、空き店舗を使ったシェア的生活実験――{三浦  展] 

 〇五島列島で家賃1万円の古民家をリノベーションして民家に  
 〇福岡の山村の古民家シェアハウスで狩猟採集生活。月の食費は1,500円  
 〇郊外の90㎡の空き家を100万円で買ってリノベーション。横須賀から横浜に週3日勤務  
 〇杉並区でオフィス、カフェ、ベッド、ブックをシェアするビル  
 〇まとめ  

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